相続不動産サポートの解決事例

当事務所でサポートさせていただいた相続不動産に関する事例をご紹介します。共有名義の不動産の売却、空き家の譲渡特例の活用、賃貸物件の引き継ぎ、遠方の不動産処分など、相続後の不動産に関するお悩みをワンストップで解決しています。

※守秘義務の関係上、ご相談内容や数字は一部変更しています。

事例1:共有名義の実家を売却し、兄弟3人で公平に分配

ご相談者の属性

50代男性(長男)。被相続人はお母様(世田谷区在住、80代で逝去)。相続人は兄弟3人(長男・次男・長女)。主な相続財産は自宅の土地・建物(時価約6,000万円)と預貯金約1,500万円。

ご相談の背景・お悩み

お母様が一人暮らしをされていた自宅が空き家になりました。兄弟3人とも持ち家があり、実家に住む予定はありません。「3人で公平に分けたいが、不動産をどう分ければいいかわからない」とのご相談でした。

法定相続分で不動産を共有名義にする方法も考えましたが、「共有にすると将来売却するときに全員の同意が必要で面倒になる」と聞き、不安を感じていました。


当事務所の対応・提案内容

換価分割(不動産を売却して代金を分ける方法)をご提案しました。遺産分割協議書に「自宅不動産を売却し、売却代金から諸費用を控除した残額を3分の1ずつ取得する」旨を記載しました。

不動産の売却にあたっては、当事務所の提携不動産会社をご紹介し、査定から売却活動、契約、引き渡しまでをサポートしました。売却価格は約5,800万円で成約。仲介手数料・解体費用等を差し引いた手取り額を3等分しました。

売却後の確定申告(譲渡所得税)についても当事務所で対応しました。相続で取得した不動産の取得費は被相続人の取得費を引き継ぐため、お母様が購入された当時の売買契約書を探し出し、実額の取得費で申告することで譲渡所得税を抑えました。

結果・効果

自宅不動産の売却により、兄弟3人がそれぞれ約1,700万円を取得。公平な遺産分割が実現しました。共有名義にせず換価分割としたことで、将来の管理や処分に関するトラブルリスクも回避できました。

ポイント解説

不動産を複数の相続人で分ける方法には、現物分割、代償分割、換価分割があります。誰も住む予定のない不動産は、換価分割が最も公平で分かりやすい方法です。ただし、換価分割の場合は譲渡所得税の負担が発生するため、税引き後の手取り額で分配計画を立てる必要があります。遺産分割協議書の記載方法によって税務上の取り扱いが変わる場合があるため、事前に税理士に相談することをお勧めします。

事例2:相続した空き家を売却し、3,000万円特別控除を適用

ご相談者の属性

60代女性(長女)。被相続人はお父様(世田谷区在住、90代で逝去)。相続人は長女1人。主な相続財産は自宅の土地・建物(昭和45年建築の木造一戸建て、時価約5,500万円)と預貯金約2,000万円。

ご相談の背景・お悩み

お父様が一人暮らしをされていた自宅が空き家になりました。建物は築50年以上で老朽化が進んでおり、このまま維持するのは難しい状態です。売却を希望されていましたが、「売却すると多額の税金がかかるのではないか」と心配されていました。

お父様は昭和45年にこの家を建てており、当時の建築費用や土地の購入代金の資料が見つからない状況でした。


当事務所の対応・提案内容

被相続人の居住用家屋等の譲渡に係る3,000万円特別控除(空き家の譲渡特例)の適用を検討しました。この特例は、相続で取得した被相続人の居住用家屋とその敷地を売却した場合に、譲渡所得から最大3,000万円を控除できる制度です。

適用要件を確認したところ、被相続人が相続開始直前に一人暮らしであったこと、昭和56年5月31日以前に建築された家屋であること、相続から売却までに事業・貸付・居住の用に供していないことなど、すべての要件を満たすことが確認できました。

建物を解体して更地で売却する方針とし、解体業者の手配から売却、確定申告までを一括でサポートしました。取得費については、当時の資料が見つからなかったため、売却代金の5%を概算取得費として使用しましたが、3,000万円特別控除を適用することで譲渡所得税を大幅に軽減できました。

結果・効果

更地にして約5,300万円で売却。3,000万円特別控除の適用により、譲渡所得税は約150万円に抑えることができました。特例を適用しなかった場合の譲渡所得税は約750万円と試算されたため、約600万円の税負担軽減となりました。

ポイント解説

空き家の譲渡特例は、増加する空き家問題への対策として設けられた制度です。適用には「相続開始から3年後の12月31日まで」に売却する期限があるため、早めの検討が必要です。また、昭和56年6月1日以降に建築された家屋は対象外となります。建物を解体して更地で売却する場合と、耐震リフォームをして建物付きで売却する場合の2パターンがありますが、費用対効果を比較して判断することが重要です。

事例3:賃貸マンションの管理・運営を相続人がスムーズに引き継ぎ

ご相談者の属性

50代男性(長男)。被相続人はお父様(世田谷区在住、70代で逝去)。相続人は配偶者と子2人の合計3人。主な相続財産は自宅不動産(約5,000万円)、賃貸マンション1棟・8室(約8,000万円、年間家賃収入約600万円)、預貯金約3,000万円。

ご相談の背景・お悩み

お父様が個人で賃貸マンション1棟を所有・管理していました。管理会社との契約や入居者との賃貸借契約はすべてお父様名義であり、「誰がどうやって引き継げばいいのかわからない」と戸惑っていらっしゃいました。

入居者への家賃の振込先変更通知、管理会社との契約切替、火災保険の名義変更など、やるべきことが多く、「何から手をつければいいのか」というご相談でした。


当事務所の対応・提案内容

まず、遺産分割協議で賃貸マンションを長男が取得することを決定しました。そのうえで、引き継ぎに必要な手続きを一覧にまとめ、優先順位をつけてご案内しました。

管理会社との管理委託契約の名義変更、入居者への賃貸人変更通知と家賃振込先変更の案内、火災保険の名義変更、固定資産税の納税義務者の届出など、必要な手続きを順番に進めました。各手続きの書面作成や連絡のサポートも行いました。

あわせて、相続開始日からの家賃収入の帰属を整理しました。遺産分割協議が成立するまでの家賃収入は相続人全員の共有所得となるため、準確定申告と各相続人の確定申告の方法もご説明しました。相続税申告後も、長男の不動産所得の確定申告を継続してサポートしています。

結果・効果

相続開始から約2ヶ月で管理会社の切替と入居者への通知が完了。家賃収入の空白期間なく引き継ぎが実現しました。確定申告のサポートも含め、ワンストップでの対応により、長男はスムーズに賃貸経営を開始できました。

ポイント解説

賃貸物件を相続した場合、相続税の申告だけでなく、賃貸経営の引き継ぎに関する実務的な手続きが多数発生します。管理会社との契約切替が遅れると、家賃の入金先が不明確になり、入居者との間でトラブルが発生するリスクがあります。また、相続開始日から遺産分割成立日までの家賃収入は、法定相続分に応じて各相続人に帰属するため、確定申告でも正確な処理が必要です。

事例4:遠方にある相続不動産の売却を一括サポート

ご相談者の属性

50代女性(長女)。被相続人はお母様(世田谷区在住)。相続人は長女1人。主な相続財産は世田谷区の自宅不動産(約5,000万円)と地方都市にある実家(空き家、時価約800万円)、預貯金約2,000万円。

ご相談の背景・お悩み

お母様は数年前に世田谷区に転居されており、地方都市のご実家は空き家のままでした。長女も世田谷区在住で、遠方の物件を管理するのは困難です。「売却したいが、現地に行く時間がなかなか取れない」とのことでした。

また、地方の不動産市場に詳しくないため、「適正な価格で売れるか不安」「地元の不動産会社をどうやって探せばよいかわからない」というお悩みもありました。


当事務所の対応・提案内容

当事務所のネットワークを通じて、現地の不動産会社を2社ご紹介しました。両社に査定を依頼し、査定価格と販売戦略を比較したうえで、1社に売却を依頼しました。

売却手続きの大部分は郵送とオンラインで対応可能でしたが、契約時には現地への訪問が必要でした。契約日程の調整や必要書類の事前準備をサポートし、現地訪問は1回で済むようスケジュールを組みました。

売却後の確定申告(譲渡所得税)についても当事務所で対応。お母様が当該不動産を取得した際の売買契約書が残っていたため、実額の取得費を使用して申告しました。

結果・効果

遠方の実家を約750万円で売却。現地訪問1回で売却手続きが完了しました。空き家の維持管理費(固定資産税・草刈り・防犯対策等)の負担からも解放されました。確定申告まで含めたワンストップの対応に、「自分一人では到底できなかった」とのお言葉をいただきました。

ポイント解説

遠方にある相続不動産は、管理の手間と費用が継続的にかかります。空き家のまま放置すると、建物の老朽化による近隣への危険、特定空き家への指定による固定資産税の増額など、リスクが増大します。早めに売却の判断をすることで、これらのリスクと維持費用を回避できます。地方の不動産は売却に時間がかかる場合もあるため、余裕を持って動き始めることが大切です。

事例5:底地(貸宅地)の売却で、長年の地代収入から解放

ご相談者の属性

60代男性(長男)。被相続人はお父様(世田谷区在住、80代で逝去)。相続人は子2人。主な相続財産は自宅不動産(約5,000万円)、世田谷区内の底地2筆(合計約3,000万円)、預貯金約2,000万円。

ご相談の背景・お悩み

お父様が所有していた底地(借地人に貸している土地)を相続しました。借地人からの地代収入は月額合計約5万円ですが、固定資産税を差し引くとほとんど手元に残りません。「管理の手間ばかりかかり、このまま持ち続けるメリットがない」とのお悩みでした。

借地人との関係も複雑で、地代の値上げ交渉や建物の建替え承諾など、将来的なトラブルのリスクも気にされていました。


当事務所の対応・提案内容

底地の売却を検討しました。底地の売却先としては、借地人に買い取ってもらう方法と、底地専門の買取業者に売却する方法があります。

まず借地人に購入の意向を確認しました。1筆については借地人が購入を希望されたため、路線価ベースの底地割合を基に適正価格を算定し、交渉をサポートしました。もう1筆の借地人は購入を希望しなかったため、底地専門の買取業者をご紹介し、売却を進めました。

底地の売却に伴う譲渡所得税の計算では、お父様の取得時期が昭和30年代と古く、取得費の資料がなかったため、概算取得費(売却代金の5%)を使用しました。

結果・効果

底地2筆を合計約2,500万円で売却。長年の地代管理業務から解放されました。借地人との関係で生じうる将来のトラブルリスクも解消。売却代金は兄弟2人で分割し、それぞれの将来資金として活用されています。

ポイント解説

底地は地代収入が低く管理の手間がかかるため、相続を機に売却を検討されるケースが多い資産です。借地人に売却する場合は、底地と借地権が一体となり更地価格に近い価格での売却が期待できます。一方、底地専門業者への売却は交渉不要で手続きが簡単ですが、価格は更地価格の10〜15%程度が相場です。どちらの方法が適しているかは個別の状況次第ですので、早めの相談をお勧めします。

事例6:老朽化した賃貸アパートの建替えか売却かの判断を支援

ご相談者の属性

60代女性(配偶者)。被相続人はご主人(世田谷区在住、60代で逝去)。相続人は配偶者と子1人の合計2人。主な相続財産は自宅不動産(約5,000万円)、築35年の賃貸アパート(木造、6室、時価約4,000万円、空室率50%)、預貯金約2,000万円。

ご相談の背景・お悩み

ご主人が所有していた賃貸アパートは築35年で老朽化が進み、6室中3室が空室の状態でした。「建て替えて収益を改善すべきか、いっそ売却してしまうべきか」で悩んでいらっしゃいました。

建替えの場合は入居者の立退き交渉や建築費用の負担、売却の場合は譲渡所得税の負担があり、「どちらが経済的に有利なのか判断できない」とのことでした。


当事務所の対応・提案内容

建替えと売却の2パターンについて、30年間の収支シミュレーションを作成しました。

建替えの場合:立退き費用(入居者3名)、解体費、建築費(鉄骨造・8室で約7,000万円)を見込み、借入金の返済と家賃収入の推移を試算。建替え後の年間家賃収入は約500万円、ローン返済は年間約350万円で、手残りは年間約150万円となります。

売却の場合:更地にして売却する想定で、解体費・立退き費用を差し引いた手取り額を試算。売却代金を金融商品で運用した場合の収益とも比較しました。税務面では、建替え時の借入金による債務控除効果(将来の相続税への影響)と、売却時の譲渡所得税の負担を含めて、トータルの税負担を比較しました。

結果・効果

シミュレーションの結果、本件では売却のほうが経済的に有利であると判断。土地を約4,500万円で売却しました。空室管理の負担と建物の維持費用から解放され、売却代金を子の教育資金や老後の生活費として計画的に活用する方針としました。

ポイント解説

築古の賃貸アパートを相続した場合、「建替え」「売却」「現状維持」の選択肢があります。建替えは将来の相続税対策にもなりますが、多額の初期投資と空室リスクを伴います。売却は資金を確保できますが、譲渡所得税が発生します。どちらが有利かは、立地条件・建物の状態・相続人の資金力・将来の相続税の見込みなど、総合的に判断する必要があります。

事例7:相続した土地を月極駐車場として有効活用

ご相談者の属性

50代男性(長男)。被相続人はお父様(世田谷区在住、80代で逝去)。相続人は子2人。主な相続財産は自宅不動産(約6,000万円)、自宅隣接の空き地(約70㎡、約3,000万円)、預貯金約2,000万円。

ご相談の背景・お悩み

自宅に隣接する空き地を相続しましたが、建物を建てるには狭く、売却するにも自宅と一体で利用している部分があり、切り離しが難しい状況でした。「何もしないと固定資産税だけがかかるので、何か有効活用できないか」とのご相談でした。

大規模な投資は避けたいとのご希望があり、低コストで始められる活用方法を探していました。


当事務所の対応・提案内容

月極駐車場としての活用をご提案しました。約70㎡のスペースに車3台分の駐車場を整備する計画です。アスファルト舗装とライン引き、看板設置で初期投資は約80万円。近隣の月極駐車場の相場は1台あたり月額約25,000円で、満車の場合は月額75,000円(年間90万円)の収入が見込まれます。

税務面では、駐車場収入は不動産所得として確定申告が必要であること、固定資産税の小規模住宅用地の特例が外れる可能性があること(更地利用の場合)、将来の相続における小規模宅地等の特例との関係(貸付事業用宅地等に該当するかどうか)を整理してご説明しました。

結果・効果

駐車場として整備後、約1ヶ月で3台すべてが契約に至りました。年間約90万円の安定収入を確保。初期投資80万円は1年目でほぼ回収できる見込みです。確定申告のサポートも当事務所で継続して対応しています。

ポイント解説

駐車場経営は初期投資が少なく、建物を建てるリスクを取らずに始められる土地活用方法です。ただし、更地のままの駐車場(青空駐車場)の場合、小規模宅地等の特例(貸付事業用宅地等)の適用が受けられない点に注意が必要です。アスファルト舗装などの構築物がある場合は適用可能となりますが、相続開始前3年以内に貸付を開始した場合は原則として適用除外となる「3年縛り」のルールもあります。将来の相続を見据えた計画が重要です。

事例8:相続登記が放置されていた不動産の権利関係を整理

ご相談者の属性

60代男性(長男)。被相続人はお父様(世田谷区在住、80代で逝去)。相続人は子3人。主な相続財産は自宅不動産(約5,000万円)と預貯金約1,500万円。自宅の土地の登記名義はお祖父様(30年前に逝去)のまま放置されていた。

ご相談の背景・お悩み

相続税申告の準備中に、自宅の土地の登記名義がお祖父様のままであることが判明しました。お祖父様の相続(30年前)の際に遺産分割協議は行われたものの、登記手続きが未了のまま放置されていました。

「お祖父様の相続人が多数いて、今さら全員の同意を得るのは無理なのではないか」と心配されていました。


当事務所の対応・提案内容

提携の司法書士と連携して、数次相続(相続が複数回発生している状態)の登記手続きを進めました。まず、お祖父様の相続人の範囲を確認するため、戸籍の収集を行いました。お祖父様の相続人は8人で、うち2人は既に亡くなっており、さらにその方の相続人(代襲相続人)も含めると、関係者は合計12人にのぼりました。

幸い、30年前の遺産分割協議書が残っていたため、当時の協議内容に基づいてお父様が土地を単独取得した事実を証明できました。この協議書をもとに、お祖父様からお父様への相続登記(中間省略登記が可能なケース)を経て、今回の相続登記を行う方針としました。

結果・効果

約3ヶ月の手続きを経て、お祖父様名義からお父様名義、さらに長男名義への相続登記が完了しました。12人の関係者への連絡と確認も司法書士と連携して対応。当初心配されていた「全員の同意が得られないのでは」という懸念は、過去の遺産分割協議書が残っていたことで解消されました。

ポイント解説

令和6年4月から相続登記が義務化され、正当な理由なく3年以内に登記を行わない場合は過料(10万円以下)の対象となります。過去に相続登記を放置していた場合も対象です。相続が何代にもわたって放置されると、関係者が増え、遺産分割協議が困難になるケースが少なくありません。過去の遺産分割協議書が残っていない場合は、改めて関係者全員で協議する必要があり、手続きがさらに複雑になります。心当たりのある方は、早めにご相談ください。

事例9:共有持分の買取りで、兄弟間の共有状態を解消

ご相談者の属性

50代男性(長男)。被相続人はお母様(世田谷区在住、80代で逝去)。相続人は兄弟2人(長男・次男)。主な相続財産は自宅不動産(約6,000万円)と預貯金約2,000万円。自宅には長男が同居していた。

ご相談の背景・お悩み

遺産分割協議の結果、自宅不動産は兄弟で2分の1ずつ共有名義とし、預貯金は次男が全額取得する形で合意しました。しかしその後、長男が「共有のままでは将来的にリフォームや売却の判断が難しくなる」と感じ、次男の持分を買い取って単独所有にしたいとのご希望が出てきました。

「適正な価格で買い取らないと贈与税がかかると聞いたが、いくらが適正なのかわからない」とのご相談でした。


当事務所の対応・提案内容

次男の共有持分(2分の1)を長男が買い取る際の適正価格を算定しました。共有持分の適正価格は、不動産全体の時価の2分の1が基本となります。不動産鑑定士による鑑定評価ではなく、複数の不動産会社の査定書をもとに時価を算定しました。

不動産全体の時価を約6,000万円と評価し、次男の持分の買取価格を3,000万円としました。著しく低い価格で買い取ると「低額譲渡」として贈与税が課されるリスクがあるため、時価の目安を客観的に示す資料(不動産会社の査定書)を保存しておくようアドバイスしました。

次男の側では、持分の譲渡に伴う譲渡所得税の計算を行いました。お母様の取得費を引き継いで計算し、確定申告まで対応しました。

結果・効果

長男が次男の共有持分を3,000万円で買い取り、自宅不動産の共有状態を解消しました。長男は単独所有者として自由にリフォームや将来の売却を判断できるようになり、次男は3,000万円の資金を取得しました。贈与税の問題も生じませんでした。

ポイント解説

相続で不動産を共有にすると、将来の管理・処分で意見が対立するリスクがあります。共有状態を解消する方法には、一方が他方の持分を買い取る方法のほか、不動産全体を売却して代金を分ける方法もあります。持分の買取りでは、適正価格での取引が重要です。時価より著しく低い価格で取引すると、差額に贈与税が課される場合があります。取引価格の妥当性を示す客観的資料を残しておくことをお勧めします。

事例10:相続した不動産の譲渡所得税を取得費加算の特例で軽減

ご相談者の属性

50代女性(長女)。被相続人はお父様(世田谷区在住、80代で逝去)。相続人は子2人。主な相続財産は自宅不動産(約5,000万円)、投資用マンション(約3,000万円)、預貯金約2,000万円。長女が投資用マンションを相続。

ご相談の背景・お悩み

投資用マンションを相続しましたが、賃貸経営の経験がなく、管理の負担に不安を感じていました。「できれば売却して現金にしたいが、相続税も払った上に譲渡所得税もかかると手元にいくら残るのか」と心配されていました。

相続税申告を当事務所で担当しており、申告完了後に譲渡の相談をいただきました。


当事務所の対応・提案内容

相続税の取得費加算の特例の活用をご提案しました。この特例は、相続で取得した不動産を相続開始から3年10ヶ月以内に売却した場合、支払った相続税の一部を不動産の取得費に加算して譲渡所得を圧縮できる制度です。

長女が負担した相続税のうち、投資用マンションに対応する部分(約450万円)を取得費に加算できる計算となりました。これにより、譲渡所得が450万円減少し、譲渡所得税が約90万円軽減されます。

売却の時期は、取得費加算の適用期限(相続開始から3年10ヶ月以内)に間に合うようスケジュールを管理しました。提携の不動産会社をご紹介し、約2,900万円で成約しました。

結果・効果

取得費加算の特例により、譲渡所得税が約90万円軽減されました。期限内に売却が完了し、特例の適用を逃すことなく手続きを終えることができました。売却代金から税金を差し引いた手取り額は約2,600万円となり、長女の将来資金として活用されています。

ポイント解説

取得費加算の特例は、相続開始から3年10ヶ月以内(相続税の申告期限の翌日から3年以内)に売却した場合に限り適用されます。この期限を過ぎると特例は使えなくなるため、売却を検討している場合は早めに動くことが重要です。なお、この特例は相続税を実際に納付した方のみが利用でき、配偶者の税額軽減などで相続税が0円となった場合は適用できません。

事例11:借地権付き建物を売却し、地主との交渉をサポート

ご相談者の属性

50代男性(長男)。被相続人はお父様(世田谷区在住、80代で逝去)。相続人は子2人。主な相続財産は借地権付き一戸建て(借地権評価額約4,000万円、建物約500万円)と預貯金約1,500万円。

ご相談の背景・お悩み

お父様が借地上に建てた一戸建てを相続しましたが、兄弟とも持ち家があり、住む予定はありません。「借地権付きの建物を売却したいが、地主の承諾が必要と聞いた。どう進めればいいか」とのご相談でした。

地主との関係はお父様の代から良好でしたが、「売却の話を持ちかけて関係が悪化しないか」という心配もありました。


当事務所の対応・提案内容

借地権の売却には地主の承諾が必要です(民法の賃借権の譲渡に該当)。まず、地主に売却の意向を伝え、承諾を得るための交渉をサポートしました。承諾料(一般的には借地権価格の10%程度)の金額についても事前に確認しました。

売却先の選定にあたっては、借地権付き建物の取引に実績のある不動産会社をご紹介しました。借地権割合は当該地域で60%であり、更地価格に対して60%が借地権の価格の目安となります。買主候補との交渉では、借地条件の引き継ぎ(地代・契約期間等)を明確にし、買主が安心して取引できる環境を整えました。

売却後の譲渡所得税の計算では、お父様が借地権を取得した際の権利金や、建物の建築費を取得費として計上しました。

結果・効果

地主の承諾を得て、借地権付き建物を約3,800万円で売却。承諾料を含めても約3,400万円の手取りを確保しました。地主との関係も良好なまま売却手続きが完了し、兄弟2人で代金を分割しました。

ポイント解説

借地権付き建物の売却は、地主の承諾が必要なため、通常の不動産売却より手続きが複雑です。地主が承諾しない場合は、裁判所に借地非訟の申立てを行う方法もありますが、時間と費用がかかります。地主との円満な関係を維持しながら交渉を進めることが重要です。また、地主と共同で底地と借地権を同時に売却する方法もあり、更地として売却できるため高値での売却が期待できます。

事例12:相続した複数の不動産を選別し、保有・売却・活用を仕分け

ご相談者の属性

60代男性(長男)。被相続人はお父様(世田谷区在住、80代で逝去)。相続人は子2人。主な相続財産は自宅不動産(約6,000万円)、賃貸アパート(約5,000万円)、遊休地2筆(合計約4,000万円)、区分マンション1室(約2,500万円)、預貯金約2,000万円。

ご相談の背景・お悩み

複数の不動産を相続しましたが、「全部を持ち続ける必要があるのか」「どれを残してどれを手放すべきか」の判断がつかない状態でした。各不動産の収益性、維持費用、将来の相続税への影響が異なるため、「全体を俯瞰して整理してほしい」とのご依頼でした。

弟(次男)は不動産の管理に関わりたくないとの意向で、「できるだけシンプルな形にしたい」とのことでした。


当事務所の対応・提案内容

各不動産について、収益性(利回り)、維持コスト、相続税評価額と時価の乖離、将来の値上がり・値下がりの見通し、管理の手間を一覧表にまとめ、「不動産ポートフォリオ」として可視化しました。

検討の結果、以下のように仕分けをご提案しました。保有継続:賃貸アパート(利回り良好、貸家建付地評価による相続税圧縮効果あり)。売却:遊休地2筆(収益を生まず、固定資産税のみ発生)と区分マンション1室(管理組合の対応が煩雑)。活用検討:自宅隣接地の一部を駐車場として活用。

売却する不動産については、譲渡所得税のシミュレーションを行い、取得費加算の特例が使える期限内に売却するスケジュールを立てました。

結果・効果

遊休地2筆と区分マンションを売却し、合計約5,500万円の現金を確保。不動産の数を5件から2件に集約しました。賃貸アパートは長男が継続保有して安定収入を確保し、売却代金の一部を次男に代償金として支払うことで、公平な遺産分割も実現しました。

ポイント解説

複数の不動産を相続した場合、すべてを保有し続けることが必ずしも最善とは限りません。収益性の低い不動産は維持費用がかさみ、管理の負担も増えます。「保有」「売却」「活用」の3つの選択肢で仕分けを行い、全体として効率的な資産構成にすることが重要です。売却のタイミングは、取得費加算の特例の適用期限(相続開始から3年10ヶ月以内)も考慮に入れると、税負担を最小限に抑えられます。


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