土地の価値を左右する重要な要素!間口距離の正しい求め方

路線価地域に在る土地を評価する場合、その土地の間口距離や奥行距離を確定しなければなりません。間口距離はその宅地が道路に接する距離によります。また奥行距離は、その宅地の路線から垂線距離によることとされています。

本記事は、間口距離と奥行距離のうち間口距離を取り上げてお伝えします。

目次

間口距離の求め方

間口距離は、原則として道路と接する部分の距離によります。いわゆる角地などで角切がされている宅地については、角切がないものとした場合の道路に接する部分の距離によります。

隅切りのある土地

隅切りのある宅地の図

間口距離はaです。

角地などで角切がされている宅地は、角切がなかったとした場合の道路に接する部分の距離です。

角切りのある私道

角切りのある私道の図

間口距離はaです。

私道部分を評価する際、隅切で広がった部分は間口距離に含めません。

間口が分離された土地

間口が分離された宅地の図

間口距離はa+cです。

道路と接する部分の距離が間口距離です。

道路に斜めに接している土地

道路に斜めに接している宅地の図

間口距離はbによりますが、aでも差し支えありません。

質疑応答事例 間口距離の求め方|国税庁

屈折路の内側に位置する土地

屈折路の内側に位置する土地(想定整形地の選定)

屈折路に面する不整形地の間口距離を計算するには、まず想定整形地を描かなければなりません。

屈折路に面する不整形地に係る想定整形地は、いずれかの路線からの垂線によって、または路線に接する両端を結ぶ直線によって、評価しようとする宅地の全域を囲むく形、または正方形のうちもっとも面積の小さいものとします。

上図の場合、もっとも面積の小さいAを想定整形地とします。

屈折路の内側の間口距離の算定

つぎに間口距離の算定です。

屈折路に面する不整形地の間口距離は、不整形地にかかる想定整形地の間口に相当する距離と、屈折路に実際に面している距離とのいずれかの短い距離です。

a < b+c より、上図の場合、間口距離は、a です。

屈折路の外側に位置する土地

屈折路の外側に位置する土地(想定整形地の選定)

まず想定整形地を描きます。

上図の場合、もっとも面積の小さいCを想定整形地とします。

屈折路の外側の間口距離の算定

つぎに間口距離の算定です。

不整形地にかかる想定整形地の間口に相当する距離と、屈折路に実際に面している距離とのいずれか短い距離です。

b+c < a より、上図の場合、間口距離は、b+c です。

質疑応答事例 屈折路に面する宅地の間口距離の求め方|国税庁

間口距離にかかわる規定

間口距離にかかわる規定を紹介します。

正面と側方に路線のある土地

正面と側方に路線のある土地の図

正面と側方の路線がある土地の評価

① 正面の路線価 × 正面の奥行価格補正率

② 側方の路線価 × 側方の奥行価格補正率 × 側方路線影響加算

(①+②)× 地積 = 評価額

正面と側方の路線に接する宅地は、正面の路線のみに接する宅地の場合よりも利便性が高まるため、路線価にその影響を加味して評価します。

上記の算式の②の1㎡当たり側方路線影響加算額の算定では、側方路線価を正面路線の路線価とみなして側方の奥行価格補正率と側方路線影響加算率の調整計算をします。

上図の場合、側方路線を正面路線とみなした場合の間口距離は、側方路線に実際に接する距離の9mです。たとえば側方の奥行距離を不整形地の評価方法の 「財産評価基本通20(2)の計算上の奥行距離」により算定する場合、地積をこの間口距離を除して算定します。

また上図の場合の側方路線影響加算率の調整は、側方路線影響加算率に9m/(9m+1m)を乗じます。側方路線を正面路線として描いた想定整形地の間口9mのうち、側方路線に実際に接している距離10mに応じた割合を調整します。

なお側方路線影響加算率は、側方路線影響加算率表に定める地区区分と角地または準角地に応じた値を用います。

(側方路線影響加算率表)

地区区分加算率
角地の場合準角地の場合
ビル街地区0.070.03
高度商業地区
繁華街地区
0.100.05
普通商業・併用住宅地区0.080.04
普通住宅地区
中小工場地区
0.030.02
大工場地区0.020.01

奥行価格補正率表(昭45直資3-13・平3課評2-4…)|国税庁

側方路線影響加算補正は以下の記事を参考にしてみてください。

2つの路線に接する宅地に側方路線影響加算を使う方法

間口が狭い土地

間口が狭い土地(旗竿地)の図

上図のような間口が狭小な旗状の土地は、他の宅地と同じように宅地が路線に接する部分を間口距離とします。

間口距離が狭い土地の場合、標準的な宅地と比べて利用価値は低くなると考えられます。間口距離の短い宅地は、間口狭小補正率表に定める地区区分ごとの間口狭小補正率を適用します。

(間口狭小補正率表)

地区区分
間口距離
(メートル)
ビル街地区高度商業地区繁華街地区普通商業・
併用住宅地区
普通住宅
地区
中小工場地区大工場地区
4未満0.850.900.900.900.800.80
4以上6未満0.941.000.970.940.850.85
6 〃 8 〃0.971.000.970.900.90
8 〃 10 〃0.951.001.000.950.95
10 〃 16 〃0.971.000.97
16 〃 22 〃0.980.98
22 〃 28 〃0.990.99
28 〃1.001.00

奥行価格補正率表(昭45直資3-13・平3課評2-4…)|国税庁

間口が狭い宅地の評価|国税庁

奥行きの長い土地

一般に間口の狭い土地は、奥行きは長くなります。間口の距離に比べて奥行きが長い土地は、その地域の標準的な宅地と比べて利用価値が低くなると考えられます。間口に比して奥行が長大な宅地について、奥行長大補正率を定めて、一定の減額を認めています。奥行き長大補正率表に定めた奥行距離を間口距離で除した値と、地区区分に応じた奥行長大補正率を使用します。

(奥行長大補正率表)

地区区分奥行距離
間口距離
ビル街地区高度商業地区
繁華街地区
普通商業・
併用住宅地区
普通住宅地区中小工場地区大工場地区
2以上3未満1.001.000.981.001.00
3 〃 4 〃0.990.960.99
4 〃 5 〃0.980.940.98
5 〃 6 〃0.960.920.96
6 〃 7 〃0.940.900.94
7 〃 8 〃0.920.92
8 〃0.900.90

奥行価格補正率表(昭45直資3-13・平3課評2-4…)|国税庁

無道路地

無道路地の図

無道路地とは道路に接していない土地や、道路に接しているものの間口が狭く接道義務を満たしていない土地です。無道路地は、実際に利用している路線の路線価にもとづき、不整形地の評価によって計算した価額から、その価額の40%の範囲内において相当と認める金額を控除して評価します。

その価額の40%の範囲内において相当と認める金額は、その無道路地に建築物を建築するために必要な道路に接すべき最小の間口距離の要件にもとづいた最小限の通路を開設する場合の、その通路に想定する部分の価額です。

間口距離は、建築基準法で定められている道路に接すべき長さ2mのほか、都道府県や市区町村で条例により独自に定めた道路に接すべき長さによります。接道義務といいます。

たとえば上図の場合、東京都に所在し、評価対象地の正面路線までの距離が10mのため、接道義務は2mです。したがって間口距離は2mです。

条例が定める路地状敷地の幅員
路地状部分の長さ幅員
東京都(※)20m以下2m以上
20m超3m以上
横浜市15m以下2m以上
15m超、25m以下3m以上
25m超4m以上
埼玉県(※)10m未満2m以上
10m以上、15m未満2.5m以上
15m以上、20m未満3m以上
20m以上4m以上

※建物の延べ面積が200m以下のもの

無道路地の間口距離は以下の記事を参考にしてみてください。

無道路地の評価と想定通路の取り方4つ

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